お金を支援してくれる人
何だか従業員採用面接のようだった。
愛人掲示板で知り合った彼女だったのだが、待ち合わせ場所にリクルートスーツのような格好でやってきた。
「月にこれくらいの額を希望しています。また週休は二日でお願いします」
いや、別に僕は愛人契約をするつもりではなくて、暇なときに気軽に遊べる相手と知り合いたいだけだ。だいたい、週休二日の愛人て何?
「さすがに毎日ですと、私の体がもちませんし、その、生理などもありますから」
誰もそんなことは聞いていない。ただ、もじもじと恥ずかしそうにシモの話をする彼女がちょっとかわいく思ったりもした。
そう言うノリに合わせれば、それはそれで面白いのでこちらも面接官のつもりでいろいろと聞いてみた。まずは志望動機からだ。
「愛人をビジネスにできればそれに越したことはない。それが愛人掲示板に投稿したきっかけです」
愛人となればそれなりの報酬とともにそれなりの行為も必要である。その覚悟はあるのか。
「はい。経験がないこともありませんし、ご満足いただけるように努力する所存です」
愛人希望する前は何をやっていたのか。
「都内のオフィスで事務職をやっていました。ただ、やりがいを見いだせず転職を模索していたところに愛人掲示板にたどり着きました」
あなたのキャリアハイについて教えてください。
「まずは愛人としてのキャリアを積むことで、いずれは家庭を持ちたいとも考えています」
何だかニコリともしないので、どこまで冗談でどこまで真剣なのかよくわからない。こりゃ、ホテルに連れ込んでの二次面接が必要なことを告げると
「それは後日でよろしいでしょうか」
とのことだったので、三日後に再び会う約束をしてその日は別れた。何だかよくわからない子だったが、三日後にやれるのだったらそれでいいかと、後日に改めて連絡を取ると
「申し訳ありません。他の方の愛人に採用が決まりまして」
と、あっさりと断られた。
どうやら僕は滑り止めだったらしい。あちゃー。
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